痛風の診断基準は?健康診断でのポイントは関節炎と高尿酸血症に関わる数値

痛風の検査は総合判断が必要

痛風改善

痛風の発作は夜中から明け方にかけて起こることが多く、あまりの痛さに朝一番から病院に駆け込む人が多いのですが、これは大正解の行為です。

 

何故なら、痛風発作は2から3日もすればピークが去り、1週間もすれば治ってしまうからです。すると病院に行くこともなく、痛風の根本治療を怠るので、何の解決にもならずに、次の発作や合併症を招いてしまいます。

 

発作が起きたら迷わずに医師の診断を受けて治療をするようにしましょう。

 

その初めての受診の時に最初に行われるのが医師の問診です。問診は医師が治療に必要な基本情報を把握するのに重要な診察法です。患者の答えが全てファイルされて貴重な資料になります。

 

そんなこともあって、回答がいいかげんだったり、不正確だったりすると今後の治療や病気の進み方に悪影響を及ぼしかねないので、質問には正確に答えるようにしましょう。

問診ではこんな事を聞かれます

 

  1. 発作前の自覚症状の有無と様子
  2. 発作が起きた日時
  3. 発作の起こった部位
  4. 具体的な症状
  5. 発作の回数と持続性
  6. 痛風治療歴の有無
  7. 合併症の有無と服用中の薬
  8. 家族の病歴
  9. 食事、飲酒、仕事、生活環境
  10. 身長・体重

 

医師は問診である程度の見当をつけます。ここで、痛風が疑われる時は詳しい原因や病状を知るための検査が行われます。

痛風診断基準は11項目、過半数以上で痛風と診断!

痛風は激痛の発作が有って、血液検査で高尿酸血症が認められれば、痛風と診断してほぼ間違いないのですが、発作が痛風による関節炎かどうかを断定するには細心の注意が必要です。

 

そこでアメリカのリウマチ協会が提案した「痛風診断基準」を用います。

 

痛風診断基準の目的

 

  1. 痛風を見逃さないこと
  2. 痛風以外の病気と誤診しないこと

 

なので、この痛風診断基準どおりにすれば、痛風かどうかの判断が容易になります。

 

痛風判断基準は大きく3つありますが、現在も全て使われている訳ではありません。基準A、基準Bともに現実味に欠けると言う理由で現在は診断基準Cが採用されています。

 

痛風診断基準Cは11項目ありますが、6項目以上に該当すれば痛風と判断されます。

 

ここでは痛風結節はなりにくいので、可能性の高い関節炎高尿酸血症を中心にチエックします。

 

痛風関節炎の診断基準

A 尿酸塩結晶が関節液中に存在
B 痛風結節・・・・化学的もしくは偏光顕微鏡検査で尿酸塩結晶が存在することが判明
C

@24時間以内に極限に達する炎症
A関節炎の発作が過去2回以上
B1箇所の関節炎
C関節の発赤
D足の親指の付け根に疼痛か腫れ
E片側の足親指の付け根の発作
F片側の足首の発作
G痛風結節らしいコブ
H高尿酸血症
I非対称な関節の腫れ
J発作の完全消退

出典:アメリカリウマチ協会 1977年

 

(A)は関節液を採取する為に発作の患部に注射を挿して関節液を採取して検査する方法です。患者さんにとってはかなりの苦痛を伴いますので、実際は尿酸値が正常で痛風と確定できない時などに限られています。

 

実際に関節液を採取できた場合は、その液中に白血球が尿酸結晶を貪食した像が見つかれば、痛風と診断されます。

 

この検査方法を診断基準の柱としている理由は痛風発作を起こした時、尿酸値が高くない、7.0mg/dl未満のこともしばしばありますし、時として高尿酸血症と診断されて尿酸降下薬の服用を始め、尿酸値が下がったところで発作が起こる場合があるからです。

 

(B)の痛風結節について、結節の組織を調べる検査を行います。採取した組織を顕微鏡で調べて尿酸の結晶が見つかれば痛風結節と診断されます。
痛風結節の発症もまれなので、この検査はほとんど行われません。

 

(C)については、診察や問診、血液検査などで確認することになります。

 

初めての発作で受診した場合は、医師は患者さんに、発作の状況や生活状況、家族の病歴などを詳しく尋ねます。

 

この問診によって、医師は痛風かどうかの見当をつけて、その判断に基づいて検査が行われます。

 

痛風診断のための主な検査

痛風の検査と言っても尿酸値を調べるだけではありません。様々な面から痛風の病状や原因を調べる為に次の様な検査が行われます。

1.血液生化学検査

尿酸値を観測する

 

血液中に含まれる色々な物質を生化学的に調べて、各臓器の機能や潜んでいる病気等全身の状態を調べることができます。

 

まず、1つが尿酸値です。痛風患者の多くは8.0以上の高い数値を示しますが、検査前に数値を下げる薬を服用したり、水分を多く摂って対策したりする人もいるので、そんな方は日をおいて測定する必要があります。

 

次に重要なものが肝機能の数値を表すγGTPです。痛風になる人は酒豪が多く、γGTPも上昇の傾向にあります。

 

更に、脂質関係の状態を見る総コレステロールや中性脂肪、たんぱく質、アミノ酸関係を見る総たんぱくやクレアチニンの数値が上昇、逆にHDLコレステロールは減少している事が多いようです。

 

また、赤血球や白血球、ヘモグロビン等を調べる一般血液検査を同時に行い、診察の参考にします。

 

2.尿検査

腎臓の状態を把握する

 

尿検査で腎臓が正常に働いているかどうかを調べます。
体内の尿酸が多くなりすぎると、尿に溶けきれなかった尿酸が腎臓に付着し、腎機能障害を起こします。逆に慢性腎不全など腎臓の病気が原因で尿酸の排泄障害が起こり、痛風や高尿酸血症になることもありますので、腎機能については尿タンパク、尿糖、尿沈査などのデータを見て診断します。

 

痛風患者の尿検査のデーターが示す傾向としては、尿のPHが5.0から5.5と低下を示す事があげられます。これは、酸性度が強い数字で尿酸は酸性度が強いほど水に溶けにくくなり、結晶を作りやすくなります。その他、潜血反応は陽性、尿沈査の赤血球は増加、更に尿酸結晶が検出される事も多いようです。

 

また、尿中の尿酸とクレアチニンの濃度を測定して、痛風の型を知ることもできます。

 

3.24時間尿検査

尿酸排泄量把握する。

 

腎臓は摂取した水分量で尿の排泄を調整します。水分の量で濃くなったり、薄くなったりしますが、1日分の尿を全てとることでその平均値を把握できます。

 

4.尿酸クリアランス

痛風の型把握する。

 

尿酸の排泄能力を確認し痛風の型を調べます。尿や血液の尿酸値や尿量から計算します。尿酸排泄低下型は尿酸排泄量が正常値以下、尿酸過剰生産型では尿酸排泄量が増加します。

 

難しい検査故、入院が必要になることも多いですが、調べておきたいものです。

 

5.関節X線写真

関節部分の骨の検査する。

 

痛風が慢性化すると、発作を起こした関節部分の破壊が進み、骨の変形が見られます。これは、関節X線写真を見るとよく解ります。炎症を起こした関節の骨が、ネズミにかじられたあとのようになっているのです。さらに進化すると骨全体が溶けてしまいます。

 

6.胸部X線写真

合併症の検査する。

 

合併症を起こしているか否かを調べるために行われます。胸部X線写真と心電図は患者全員に、脳血肝障害が疑われる場合はCTやMRIの検査も行います。

 

痛風発作の2度目は病院へ高尿酸血症には要注意

痛風の発作は放置すると2度、3度と繰り返す事が予想され、いつ痛みに襲われるか解りません。そうなる前に、病院に行って医師の診断を受けるようにしましょう。

 

一方の高尿酸血症は症状が出ないことが多く、自分で判断することができません。また、健康診断で尿酸値が正常な場合でも油断できませんので注意しておきましょう。

 

尿酸値の判断は難解

尿酸値は年齢や性別によって個人差があり、同じ人でもその日の環境や体調によって変化があります。これを「生理的変動幅」と言います。
生理的変動幅は1日の変動は僅かですが、1週間、1ヶ月となると大きく変動するので1回の検査では正確に測定するのはほぼ不可能です。

 

尿酸値が大きく変動する原因は 生活環境や体調の変化です。

 

送別会シーズンや忘年会シーズンで飲む機会が増え過食気味になったり、月末で仕事が立て込んでストレスを感じたりすれば尿酸値は一気に上昇します。また、激しい運動をしたり、逆に運動不足で体重が増加してしまった時なども尿酸値は上がります。

 

このようなこともあるので、尿酸値の検査は日をおいて何回かする必要があります。

 

尿酸値が7.0mgを超えていれば、その要因は生理的変動幅か治療が必要な高尿師血症かは医師が痛風の発作や合併症の有無などを踏まえて総合的に判断します。

 

まとめ

痛風検査もレントゲンを使えば簡単だと思われる方が中にはいますが、レントゲンでは尿酸の溜まり具合は把握できず、骨の異常を把握できる位です。尿酸の結晶を調べる時は、関節液を採って顕微鏡で見るようにします。

 

先に書きましたが、診断は問診からのスタートが基本で痛風の診断基準に基づいて、様々な検査を経て症状に合った治療を施すことになります。痛風は治っても再発しやすい病気なので、完治するまでは油断禁物。足の親指が痛くなる「痛風発作」がおさまっても、尿酸値が高ければ痛風はまたいずれやってきます。痛風の治療は尿酸値をイカに下げるかが鍵です。

 

痛風の診断基準は?健康診断でのポイントは関節炎と高尿酸血症に関わる数値

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